いぼ(脂漏性角化症)

○いぼ(脂漏性角化症・アクロコルドン)とは?
脂漏性角化症は良性のイボで手のひら、足のうら以外の全身に通常は鶏卵大までの淡褐色ないしは黒褐色、類円形の腫瘤として見られます。

別名「老人性のいぼ」とも言われるように、一般的には40歳以降の特に顔面や頭部などに生じることが多い腫瘍です。それ自体は悪性化しませんが、見た目に本物の皮膚癌と区別できないことがあり、病変の一部を切り取って組織検査をすることがあります。また、邪魔になったり、すれて出血したり、美容的にもあまりよくないので、患者さんの希望があればとることもあります。
脂漏性角化症が首やわきの下にできると多数の有茎性に盛り上がった小さなイボとして見られることが多く、これをアクロコルドンといいます。

○いぼ(脂漏性角化症・アクロコルドン)の症状
顔面や頭部に生じた脂漏性角化症はまれにかゆみを伴うことがありますが、一般的には無症状です。

○いぼ(脂漏性角化症・アクロコルドン)の治療
○液体窒素による凍結療法
凍結療法は組織を局所的に凍結させて細胞の氷晶化によって物理的に細胞を破壊させる方法です。強く凍結させた場合は、水疱(水ぶくれ)や潰瘍(ただれ)ができ、皮膚の色が抜けたりあとが残ったりすることがあります。この症状は個人差があり、部位によっても異なります。水疱ができたら自分で破かずにバンソウコウをしてそっとしておき、はやめに医師に相談しましょう。凍結療法は一種のやけどと同じ状態ですので、痛みがあるときは入浴を避けましょう。
○切除
悪性のもの(ボーエン病や日光角化症)と鑑別が必要なものでは皮膚生検をかねて切除します。
また、アクロコルドンでは茎の基部をハサミできると色素沈着などを残さずに治りますが、出血を伴うことがあります。
脂漏性角化症でも希望があればCO2レーザーなどで除去することも可能です。
一度ご相談ください。

いずれの処置法でも処置後わずかに色素沈着が残ることがあります。